第1章 頬はずっと火傷寸前
「関係、ないだろ。お前には」
「十代なんてあっという間なんだからー、今のうちに青春しておいたほうがいいよ~!二十代になるとなんかもうみずみずしさがなくなっちゃうから」
「たいして変わらないだろ、十七も二十も」
「変わるよお、お酒だって飲めないでしょ?」
握ったままのノンアルコール缶を無邪気に指摘され、ぎりっと唇を噛む。
に悪気がないのはわかっている。二十歳を境に様々な場面で制限が取り払われるのは事実だし、現にそういった理由で自分はアルコールを選ばなかったのだ。 制約の多い十代とは勝手が違うと考えるの言い分もわからないではない。
ただ、たった三年の違いで子ども扱いされることは気に食わない。年齢の差はある、だがそれ以外に自分との間に如何ほどの違いがあるというのか。ジムリーダーに就任してそれなりに長く、世間一般の同年代の若者よりはしっかりしているつもりでいる。間違ってもこいつに子ども扱いされる筋合いはない。
「あんまり恋愛とか興味ないのかなー?」
その間延びした声が耳に届いたとき、ぷつん、と頭の奥で何かの切れる音がした。