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越えてゆく者【ヒロアカ】

第6章 田中恵土:パスト(past)




一人泣き叫ぶ中

夜空に虚しく、泣き声が響き渡った。


そして、それが…

ずっと過ごしていた町の、最後の想い出だった。




気が付いた頃には…

私は見慣れた場所ではなく、違う場所に居た。


恵土「あれ?ここは」

相澤「お。目ぇ覚ましたか。

気分はどうだ?」



目を覚ますと、そこは…

イレイザーの家だった。



恵土「あ…大丈夫、です。

プロヒーローの?」

相澤「頷く)ああ、そうだ。

怪我もないみたいだったから、運ばせてもらった。


ヴィランにかぎ付かれるよりも前にな」


布団に寝かせられていたのを確認して

身体を少し起こしながら


恵土「ありがとうございます(お辞儀)…

あ、かっちゃんたちに連絡
相澤「ダメだ」

恵土「!

え…何で?」


驚きで目を瞬かせる中


相澤「知り合いには連絡するな。

どうしても連絡したいなら、俺を間に入れろ」

恵土「?なんで?」


相澤「溜息)…

ハッキリ言うと、生きてることがばれた上に

どこにいるのかまで分かれば、次にそいつが狙われる。


だから手紙とかはダメだ。

生きている証拠が残る」

恵土「!!

あのヴィラン、倒して…」


相澤「ああ、倒せていない。

空間ごと無効化させながら消えていく所を視た。


俺の個性は、見た相手の個性を無効化させるんだが

空間ごと無効化させる力を集約し
結界にして、自身の周囲に鎧のように張り巡らせていたんだろう。


使っても、それで逃げるのを止めることができなかった」


そう言いながら、お盆を持ってきてくれた。


恵土「……」

それに私はうつむいた。


…何も、出来なかった。

力を出せたかもしれないけれど、無理だった。


そう、布団を握り締めていると

私に向き合いながら、言いだした。


相澤「食べろ。

丸三日寝てたぞ」
恵土「ええ!!??;

なおさら連絡しなきゃ!!;
無事だって伝えたよね!?;

葬式は!?;お通夜は!!??;

誰かが死んだらするって教わったけど!;」


相澤「こっちが丁重に弔った。

殺された奴等と、お前の生死については
警察に、親しい奴等にだけ伝えるように言ってある。


ただ、あの4人はもう墓に入れた。

国家機密の存在となったことを自覚しろ」

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