第5章 戦闘訓練開始
その手に触れると
昔の光景のようなものが、ありありと伝わってきた。
4,5歳ぐらいの少年少女がいた。
「私は、いちゃいけない存在なのかな?;」
『んなわけあるか!
俺の嫁になるんだから気にすんな!!
そんな奴等は、俺が蹴散らしてやる!!(ぐっ!!』拳握
「…ありがとう、かっちゃん^^」
『当たり前だろ、恵土^^(にかっ』
腰に手を当てて、鼻の下をこする少年と
それに笑って、礼を言う少女がいた。
その昔の出来事があってか
最後の誕生日プレゼントであるそれに、思い入れがあるのかもしれない。
だが、一番心を救われたのは
「怒らなければいけないんだ。
どちらも、恵まれなかったものだ。
いじめてきたあいつらは、怒ってくれる相手に恵まれなかった。
いじめられてきたお前は、助けてくれる相手に恵まれなかった。
…怒っていい。泣いてもいい。
言葉にして、ちゃんとぶつけるようにしろ。
言葉にしないと、伝わるもんも伝わらないままだぞ(ぽんぽん」
そう、ベランダで座る恵土の隣へ座りながら
星空を眺めたまま言い聞かせた、『俺の言葉』だったらしい。
いじめてきた奴等も、裁判沙汰にしてやった。
それで恵土が逆に苦しんでるように見えた。
だから、言い聞かせたつもりだった。
だが、それを聴いてから変わった。
ちゃんと、自分の気持ちを言うようになった。
昔の恵土を、少しずつながらでも取り戻せるようになっていった。
ただ、学校に行くと吐きそうになるのは変わらなかったが;
やっと…
つい最近になってから、改善した。
恵土「居て欲しいと望む存在が、すぐ近くに居る。
遠くにも、ちゃんといる。
なら、私のすべき事はただ一つ…
かっちゃんが、デッ君が…
バカイレイザーが笑ってられるように生きる!^^」
相澤「余計なお世話だ(溜息」
恵土「それはヒーローなら必須事項b(ぐっ!」
相澤「変なとこまで似てるな;」
恵土「へへっ^^♪
よく言われる(微笑」
ヒーローにこだわらない。
ヴィランにこだわらない。
ヒトの過去にこだわらない。
今の自分が、過去の全てだと悟り
過去を乗り越えた上で、今をより強く生きていられれば
それでいいと語っているようにも視えた。