第5章 戦闘訓練開始
とはいえ、一部のプロヒーローたちは気付き
精神性の配慮から、すぐ預かることになった。
そして恵土を連れて行こうとした時
『何でプロヒーローに連れてかれてるんだろ?』
『悪いことしたんじゃない?』
『違う違う。存在自体が悪いからだよ』
『そうだね(微笑』
キャッキャッと無邪気に笑いながら話し合うそれらは
歪に歪んでいるようにしか見えず
マイク「けっ。いけすかねえガキどもだな」
相澤「いいから行くぞ」
そう言いながら、俺は恵土を連れていき
正式に、引き取ることになった。
個性の都合上、俺が妥当とのことだった。
だが
そのあたりから、自殺しようとばかりしだした。
学校は、いじめられるために行く場所。
消え去るために行く場所。
殺さなきゃ、自分を…
そうじゃなきゃ、誰も満足しない。
幸せにはならない。
私が、その幸せを奪っているんだ。
そういった概念が、長年に渡って染みついていた。
それまで、幼稚園でもあったこともまた拍車をかけていた。
親友の取り巻きが、自分が近付くと離れていくらしい。
そのことに、心を痛めていたそうで…
何年も続いた悪夢が
今でもなお、フラッシュバックとなって続いていた。
とても辛そうで、閉じこもってばかりだった。
つい最近までは、とても活発で外にばっか出たがって
一緒に遊ぼうとさえ言ってきた。
それが、あっという間に変わっていた。
引っ越し先については、俺の家に住むように強要していた。
万が一の場合に備えて。
だが、一室に閉じこもってばかりで
出るとしても、トイレの時ぐらいだった。
日に日にあいつは薄汚れていった。
大切な人たちが殺されたショックも
自分が心もまた殺されたショックもひどく…
立ち直れないようにも視えた。
だが、そんな中…
首から下げた、金の十字架のネックレスを握ってると
僅かながら
いや、とても安心しているように見えた。