第5章 戦闘訓練開始
息を飲んで、目に涙が浮かぶ中
それを払って、駆けだそうとした。
その矢先…
噴煙が激しくなり、柱も落ちてきて無理だった。
そんな中、こんな会話があったらしい。
「残念だったな。
お前さえいなければ、全員死なずに済んだのにな」
恵土「!!」
「俺たちは似てる。
俺たちは個性故に迫害され、傷付けられ、殺されかけた。
護って欲しい時に護られず
それでもなお、護りもしない奴が称賛を受け続ける。
矛盾しているとは思わないか?この社会を。
ヒーロー?
そんなものがどこにいる?
あの時も今も…
誰も救けてくれなかったじゃないか。
ヒーローとは、その場に居なければ何も救けられない。
ただの、見せかけだけの『お飾り』だ」
恵土「……」
「お前なら、解ってくれるだろ?」
恵土「違う。
それなら、お父さんも同じ思いしてきた。
お母さんも、同じ思いをしてきた!!
差別されて、嫌な思いを味合わされて!!
それでも、必死に生きてきたんだ!!
なのにっ…
お前はそれを人のせいにして
社会のせいにして、人を傷付けてるだけじゃないか!!
社会が悪い?ヒトが悪い?
だからって、傷付けて殺していい理由になるもんか!!!
あるはずだった幸せを、奪っていいはずがあるもんか!!!」
「ガキだな、やっぱり。
そうでも思っていないと、やっていられないことが世の中にはある」
恵土「そんなのたくさん見てきたよ!!
腐るほど見てきたよ!
それでも…
それでもっ!
大切にしてくれる誰かがいてくれたから、私は幸せだったんだ!!
お父さんもお母さんも!
お爺ちゃんも、お婆ちゃんもっ!
かっちゃんも!
かっちゃんママも、かっちゃんパパも!
デッ君も、デッ君ママもっ…!(涙目&震)
みんなみんな…(うるうる)
みんな、大事な人だ!!
それと同じように、全員が大事だ!!!
ヴィランもヒーローも…
全部、大事な人たちなんだっ!!!!
全部、繋がり合って…全部があるんだ!!
社会があるんだ!!!
お父さんは…
お母さんは、それを教えてくれた!
与えてくれた!!
これから生きる世の中を、護らなきゃいけないんだ」
その刹那、恵土の体に白い電光がほとばしった。