第1章 出会い
恵土「よしよし(なでなで&ぎゅう」
勝己「ひっく;うっ;」
さっきのは
誰がどう見ても、かっちゃんが悪い;
それでも…
やっぱり泣き顔を見るのは嫌なんだよね。
そんなこんなで
私たちは、同じ幼稚園に入ることになった。
勝己母「まさか同じ組とはねえ」
恵土母「ええ^^」
勝己母「でも…
あの幼稚園のお誘い、蹴ってよかったの?
聞く話だと、かなりの名門で
将来を約束されただか何だか言われてたけど」
恵土母「…その………」
その言葉に、母親は暗い顔でうつむいていた。
勝己母「ん?」
恵土母「…ひどい目に遭ったの。
幼いながらに
怪我をした時に、勝手に傷が治ってって。
それをいいことに、好き勝手に傷付けられて…
それで、怪我をした所を見せるのがひどいトラウマに……
あの幼稚園の近くを通ろうとするだけで
その道に入ろうとするだけで、ひどく怖がるの。
だから…」
勝己母「…あー。ごめん;
それは辛いわ。
もし勝己がそれやられたらやり返せって言いそうだけど
恵土ちゃん心優しいし、純粋だからなおさらねえ;(頬をかく」
恵土母「頷)そう。
なかなか、そういうのが出来ないの;キレない限りは;」
勝己母「まあ、うちの勝己もついてるんだから
そういうことにはならないでしょ。
人間不信には陥りそうだけれど;」
恵土母「でも、勝己君はちゃんと見てくれてるから。
そういう表面だけじゃなくて、内側」
勝己母「そう?
そう言ってくれると母親さながらに嬉しいわ^^♪」
そう笑い合う母親同士…
その中の話で出てきたように、私は傷付けられていた。
勝手に治るそれに、面白がって…
はさみを持って
迫られ、突き刺され、傷付けられることになった。
体験入園のはずが、とんでもない恐怖体験になった。
『その場にヒーローがいなければ、誰も救けはしない。
タイミングよく、誰かが現れることなんてない』
ずたずたのぼろぼろに切り裂かれてもなお、誰も救けようとしない現実に
齢四歳ながらに、私は悟った。