第4章 幼稚園時代
そういった部分まで撮られていたことで
恵土「うんうん。
あの後で、嫉妬について話したんだったよねえ」
勝己「イラッ)腕組みしながら淡々と語んな。
っつぅより、お前も嫉妬してたんじゃねえのかよ(ぼそ」
恵土「ん?してるよ。
それでも…
本人が楽しそうなら、まあいっかってなっちゃう」
勝己「溜息)はあ。またかよ」
小さい頃から、ずっとそうだった。
いっつも、自分の幸せよりも
ヒトの幸せばっか重視しやがって。
ほっといたら
ずっと不幸でも笑っていそうで、それが怖かったのを今でも覚えてる。
『自分の幸せを求めていい。
それで幸せそうに笑ってりゃ、俺も幸せだ』って言っても
『ありがとう^^』と笑って答えるだけで、甘えることはしなかった。
勝己「少しは甘えろ。
ただでさえ、人には甘えてねえだろ。小さい時から」
恵土「?」
勝己「勝手に抱え込んで、ふさぎ込んで…
そういうのを見てると、目覚めがわりぃんだよ(がしがし)
さっきだって呟いてたじゃねえかよ」
後ろ頭をかきながら言い出したのは、ついさっきのことだった。
『お父さん…お母さん…』
俺たちが下へ降りた後、消えたビデオに向かって
恵土が両膝を抱えながら、そう涙ながらに呟いていた。
それを、俺は見ていた。
ちょうど、呼びに行こうとした時で…
黙ったまま立ってると…
終いには、嗚咽まで聞こえてきた。
何か言おうと一歩踏み出した時
ぎぃ
たまたま音が鳴って…
それに気付いた恵土が、慌ただしく目元をこすって
恵土「?何?」
振り返ったその目は、少し赤くはれていた。
勝己「昼ご飯、できたってよ」
恵土「!あ、今行く!!」
そうして、元気なように見せて食べてたが…
到底、そういう風には見えなかった。
勝己「俺にはわかんだよ。
お前、相手に辛い思いさせたくないからって押さえ込んでるだろ」
恵土「!」
小さい時から、いつもそうだった。
あの事件が起こった時も…
両親が殺された時も、いつだって……