第4章 幼稚園時代
勝己「逆にそうされる方が、俺にとっては辛いんだよ。
辛いなら泣け。泣きたいなら泣け。
どうせ…さっき泣いてた分じゃ足りないだろ。
お前の父親と母親が殺された時もそうだ」
恵土「えっと…でも(おろおろ」
また踏ん切りつかねえ顔してやがる。
小さい時からいっつもこれだ。
大切にしたもんがなくなった時も
殺された時だって
自分の中で自分だけの力で解決しようとしやがって(怒)
そんなにも俺は頼りねえのかよ
勝己「どう甘えたらいいか分かんねーんなら…
幼い時、なんて言ってた?
憶えてんだろ、それくらいは」
恵土「っ…
『ありのままに、ぶつかって来い。
俺は逃げねえから』
…だよね?」
勝己「ああ。分かったらぱっぱと」
ぎゅうっ!
恵土「…」
そう言った直後、抱き締めてきた。
下に目を向けると、視えたのは…
「ぐすっ;ひっく;」
嗚咽をあげながら、涙を見せまいと
必死に、顔を押し付けている姿で…
勝己「…はあ(苦笑&溜息)
らしくねえんだよ。
いっつもばかみてぇに笑ってやがるくせに
勝手に抱え込んで、ふさぎ込むんじゃねえ。
少しぐらい、俺にも背負わせろよ。ぼけ」
ぺしっ
力なく頭を叩くと、少しだけ顔をあげて
やっと、俺の方を向いた。
恵土「こく)…うん;
……
ありがとうっ(涙」
引きつる声で、小さく…
俺にしか聞こえないような声で。
勝己「何万回も聞いた。聞き飽きた。けっ//(ふいっ」
その頭を、俺は乱暴気にガシガシと撫でた。
それでも、あいつは…
少し嬉しそうにしがみついているように視えた。
すり寄りながら、顔をうずめてきた。
『乱暴でもいい。
優しいのは変わらないよ^^//』
…横暴ヒーローだかなんだか言っといて
『そういうとこも全部大好きだよ^^』
平気で、簡単に言い切りやがる。
そう言ってくれる連中なんて、滅多にいなかった。
俺の周囲に居たのは
凄いだなんだと、ただはやし立てるだけの奴等ばっかだった。
それでも…
こいつとなら、ずっと一緒に居たいって思ったんだ。
こいつは、絶対…
ちゃんと
見てて欲しい所も全部、見てくれるって思ったから。