第30章 永遠に
幼い頃、話していた言葉が蘇る。
幼恵土『大事だから、護りたい!
ヴィランも!ヒーローも!
みんなみーんな!!
大事な存在で、同じ人だから!!^^』
恵土母『くす)^^』
幼恵土『?どうしたの?』
恵土母『ううん。嬉しかったの^^』
幼恵土『ぱあ)…そっかあ^^』
恵土母『そんなあなたが、大好きだから^^』
ああ…
私も、大好きだよ(微笑&ぐっ!)
だから…
勝己「…いけ(微笑」
テレビ越しに、呟かれる声。
そのタイミングと同時に…
恵土「護るよ」
自分も、空無も、母も!全部!!
全ての力を…左拳に込めて!!
振りかぶる拳
それが向かう先は…
ただただ愚直に
恵土(あいつ(空無)の心へ!!)
ビシビシッ!!
ひびが入る、(祖父が最期にかけてくれた)封印…
そして…
相手に届く直前、左半身からも解き放たれた力が乗せられ
眩いばかりの純白の光が、あたりを包み込む。
伝われ!!
届け!!!
お前を想ってる人間は、ここにもいるって!!
振り下ろされる拳…
それは……
太陽そのもののように明るく、眩しく…
何より、温かかったという。
「日の出かよ!!」
「すっげぇ!!」
テレビ越しに、ワイワイと騒がれる中
光は止み…
横たわる空無の隣で、私は跪いていた。
恵土「……
ごめんな…
救けるまで…時間、かかっちまった…
もっと早く生まれてれば…
いや…そうだとしても、同じ経験してたかまではわからないや」
跪いたまま、時を超えて思う。
恵土「でも…
お前のおかげで、大事なものを掴めた気がするよ……
父の言っていた「護らせろ」って言葉の、本当の意味…
どんな苦しみを味わい続けたとしても
それを乗り越えた上で、幸せを感じて、笑ってられる…
それが、どんなに充実感のあるものかは知ってる……
それを…知って欲しかったんだ。
だって…私は、それに救われたから。
それが…大事な、みんなだったから」
そう思う中、私は目を閉じて…倒れ伏した。
掴んだ確かな答えは…
この手の中に。
その左拳には、紋様が宿っていた…