第30章 永遠に
心臓を貫かれて、倒れ伏してから
涙を流す空無とは対照的に
私は、精霊に問い詰められていた。
精霊『何で神の力を使わないのよ!
使えば、一瞬で決着がつくでしょ!?』
恵土「私が…やらないといけないんだ!!
私しか、いないんだ…
あの力で…全力で、立ち向かえるのは!!
だから、立たないといけないんだ。
受け止める人が…
全力でぶつかれる人が、ここに居るって教えるために!!
救けたいんだ!!
あいつが…
ありのままに笑ってられるように!!」
そんな中、ヘリの音が響く。
テレビに映し出され、空間全てを消滅できる
最も危険なヴィランと戦っていると、放映されていた。
でも、私はそんなことはどうでもよかった。
それよりも…
救けたい人が、目の前にいたから!
その想いを露わに…
私は、再び立ち上がった。
全身ズタボロ。
怪我なんて、1マイクロさえも治ってない。
でも…
ここで立たなきゃ、誰も救われないってことだけは
解ってんだ。
空無「なんでだ!!(ぎり」
歯を食いしばりながら、再び攻撃してきた。
相手の力ごと空間を無効化させる力をぶつけられそうになる中
何とか身をひねって避け続けた。
空無「どうして、何度も立ち上がる!?
なぜ、何度も立ちはだかる!!??
答えろ!!
名誉のためか!?誇りのためか!?」
叫び毎に、何度も攻撃してくる中
その目に、涙を滲ませた。
恵土「!!」
空無「何でだ…ッ
どうして…
立ち上がるんだ。
どうして!
その気になれば殺せるのに!
俺を殺さねえんだ!!
どうしてだっ!!!!!;;」
『俺は、お前を殺そうとしたのにっ!!』
響く涙声…
その答えは、もう…知ってる……
恵土「………お前が…大事だからだ(微笑」