第29章 林間合宿
光汰「また、話したいから!
電話でもするから!!
…だから…(ぎゅう)
死なないで!!!」
涙を流しながら叫ぶ姿に…
恵土「わかってる。
任せとけ!!」
そう叫びながら、左拳を振りかぶった。
光汰「勝って!!!!」
そう涙ながらに叫んで、去っていく姿が
目に入った。
何やってんだ、私は…
護りたい人に心配させて
危険なとこへ飛び込ませて!
叱らなきゃな…
こんな危険なこと、やっちゃダメだって。
解ってて、やったんだよな?
なら…
私が、叱らなきゃいけない!!
私がやらなきゃ、いけないんだ!
恵土「バカやろお…
無茶しやがって!」
その表情は、笑顔で…
拳を握り締めながら、空無へ殴りかかっていた。
あの話を聞いてからの、初めての反撃だった。
空無「!!」
がきぃ!!
空間同士が、衝突し合う音が響いた。
恵土「殺したこと、ないって言ってたよな?
でも、違うんだ。
殺したよ!」
空無「!!」
恵土「私を!!
自身を殺そうと、何度でも自殺しようとしたよ!!
でも、勝手に再生してくる。
腐った世の中も!人も!闇も!!全部が憎くてしょうがなかった!!!
それで殺すぐらいなら、自分を殺したかった!
自分さえいなければ、何もならなかった。そう思っては殺そうとし続けてきた!!
でも…そんなの、何の解決にもならねえんだ。
誰にとっても、何の救いにもならないって解ったから!
だから…
ほおっておけないんだ!!
お前を、護りたいんだ!!!
やっと出会えた…
同じ境遇の、『理解者』だから!!」
どごぉ!!!!!
ぶつかり合う拳と拳、譲れない想い…
それは、互いが一番よくわかっていた。