第29章 林間合宿
空無「そうか。お前も、同じ痛みを…
でも、それならなおさら…っ)
一歩間違えば死ぬかもしれないんだぞ!!;
なのに、何で!」
恵土「痛いのはやだよ」
響くのは涙声。
そして目に映ったのは震え…
恵土「傷付くのも怖いよ…
でも、戦うんだ。
戦わないと、いけないんだ。
だって…
そこから逃げたら、誰も救われないから」
その激戦は続いていく…
夜が明けようとする、その瞬間まで……
あの毒霧を吸った。
でも…
意地でも無理やり持たせる!!
気が付けば、太陽が上がり…
私は…
自分の血でまみれていた。
空無の攻撃は、一切防御しない。
全力で、受け止める!
ぶつかれる相手が、ここに居るって伝えるためにも!!
空無「何で…
何で、こいつは心が折れねえ……
何で…
こんなにも、必死になって……!!」
驚いた顔で目を見開いて、こちらを凝視し
固まっていた。
恵土「折れたさ。
何度でも、何万回でも!!
でもみんな、何かと戦ってんだ!
解ってる。
お前の想いも
でも…
これだけは、譲れないんだ!
そんな方法じゃ、お前が救われない。
誰も、救われない!!(ぎり)
だから…
そのお前を、ほおっておけるわけねえだろ!!!」
空無「見ず知らずの人間だろ!!;
なのに…何で!!(涙目)
そんなに、ぼろぼろになってまで!!;」
恵土「決めたんだ」
空無「何でだっ!!
俺には…誰も!!」
いなかったのに!!!!
続くはずのその言葉が、胸に響く。
でも、証明したかった。
伝えたかった。
その相手は、『ここに居るぞ!!』って
今はもう、その時とは違うって…
この拳で
証明、したかったんだ――
振り下ろす右拳は
何度でも、空無へ―