第29章 林間合宿
出久「…解った」頷く
光汰「…」
唇を締めて、歯ぎしりしてから…
僕は、一人考えながら思っていた。
何でだよ…
何で攻撃しないんだよ。
そうしないと、護れないだろ!
『いつでも、待ってるから^^』
そんな思いが、不思議と伝わってきた。
幻聴かはわからない。
でも…
その言葉が、本当に嬉しかったんだ。
だから…
恵土『…能天気に見えるかもしれない。
でも…
その『苦しい』って感情は
誰もが、知ってるんだよ(ぽろっ)
その深さは、人によって変わってくる。
経験によって、色も変わってくる。
けれど…
大好きだから、自分にできる何かを…
やりたいって思ってしまうんだよ(涙&ぎゅう』
その気持ち…
今は、よくわかるよ(震)
ジッとしてられない!(ぎゅう!)
気付けば、拳を握り締めながら震えていた。
光汰(俺ができること……
俺が、恵土姉ちゃんにできること!
それは………)
そうして、ぶつかる二人と
防御するだけの恵土姉ちゃんに対して、叫んだ。
そして時は戻る。
光汰「恵土姉ちゃん!!」
恵土「!!光汰」
驚きで目を見開いた。
光汰「頑張れ!!!
負けるな!!」
その泣き顔を見た瞬間
『補助ができないなら、せめて…
応援したい』
『恵土姉ちゃんの
力に、なりたい!!』
そんな思いが、伝わってきた。
恵土「…(涙目)
…ああ(微笑)
勝つよ!(ぐっ!!」
…そうだ。
それで、負けるわけにはいかない。
譲るわけにはいかない。
護るためにも!!
空無に譲れないものがあるように
こっちにも、譲れないものがある!!
もう…
自分一人の命じゃないから!!!
空無と向かい合う中
視線を光汰へ向けながら、私は叫んだ。