第29章 林間合宿
空無「この世の中も!人も!!
何も変わり映えなどはしない!!!
どれもこれも腐ってる!
お前も、同じ目に遭ってきたんだろ?
俺と同じ思いを、幾度となく味わってきたんだろ?」
恵土「ああ、そうだよ。
ヴィランだって、言われた」
空無「殺すまで、思い悩む心境…分かるか?」
恵土「わかるよ。私も
空無「ふざけるな!!
殺したことないのに解ってたまるか!!
何度も!何度も!!何度も!!!!
何度もこの手を血に染めても、消えなかった!!
いつまで殺し続けていっても、全く癒えることなどなかった!!!!
その気持ちが…苦悩が!!
解って、たまるかあああああ!!!!」
そう鬼気として襲い掛かってくる空無に
私ができるのは…
満足するまで、付き合うことだけだった。
それと、同時刻
突然、空無の過去が明らかになる中
時と同じくして、イレイザーと校長の電話で話されていた…
校長から電話を受けてて……
校長「経過はどうだい?」
相澤「そうですね。至って順調ですよ」
校長「そうか…
それはそうと、伝えなくてよかったのかい?」
相澤「?何をですか?」
校長「調べて解った、空無の過去を。
伝えなかったみたいだけど、気になってね」
相澤「伝えなくていいんですよ。
そんな過去を知ったら…
きっとあいつは……
空無に、攻撃できなくなる」
イレイザーが過去を知ったのは
私たちが職場体験に行っている間に調べていた時(415ページ参照)だった。
そして、その考えは…
まさに、その通りだった。
空無「助けてくれたのは、あの人だけだった!!」
と同時に、伝わってきたのは…
幼い頃、壁を背に
血みどろになって横たわる中
あの人『「ヒーローが」
「その内ヒーローが」
そうやって、周囲は君を見て見ぬ振りをし続けたんだね。
一体誰がこんな世の中にしたんだろう?
君は悪くない。
もう大丈夫だ。
僕がいる(微笑』
そう手を伸ばしてくる光景だった。
…
と同時に、黒幕が見えてきた。
恵土「はっ!)
…オール・フォー・ワン」
正面から飛び掛かり
拳を振り上げて襲い掛かる空無を見る中
視えた真実は、明らかなもの――