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越えてゆく者【ヒロアカ】

第29章 林間合宿





空無「いくら怒ろうが!わめこうが!!

責任転嫁されるだけだったさ!!


都合の悪いことは、すべて俺のせいにされた!!!



「祖父母を殺したのはあんただ」

「親殺し!」

「くそヴィラン!!」

自身へと降りかかってくる言葉は、どれも胸の傷を尚更に抉るものばかり…



幼空無「違う!

俺は…ヴィランなんかじゃっ;(涙目」


声が引きつりながらも叫んだ。

伝わって欲しかった。願いながら叫んだ。



それでも…

結果は、変わらなかった!!」


好きなように理由を付けて

さも正当であるように言って、暴力も暴言も行ってきた。


残ったのは…

一人、壁を背に血みどろになりながら俯く子供の頃の空無だった。




私の目に、はっきりと視えた。




空無「俺にとって、『ヒーロー』とは虚像でしかない。

警察もだ!


目先のものだけしか見ないで
肝心な部分は視えなきゃ気付かないまま!

言っても取り合わず、証拠もなければ信じてもらえない!!



こんな社会には………




救けようとする人なんて……


誰も…っ

誰も、いなかった。




お前も、そうだったろっ!!」


涙が浮かびながらも、叫ばれて響く声は…

とても、痛々しいもので……



恵土「!!」

目を見開いたまま、固まっていた。


だって…

それは……同じ経験だったから。



小さい時

同じ目に、遭い続けてきたから…


「化け物!」

「いなくなれ」

「きもいんだよ」

「存在しなきゃいいのに」

「学校来るなよ!」

「お前の居場所なんて、どこにもないんだよ!!」

「死ね」



誰も、味方がいなかった…



恵土「…(ぎり)

…(ぎゅ」


その気持ちは…痛いほどわかる!(震)



恵土「そうだよ!


誰かに相談しようとすれば、チクったとののしられる。

誰にも言えない!話せない!!


そんな中でも、誰も味方なんていない!
助けようとする人もいない!護ろうとする人もいない!!


誰も!!

誰も!!!;」涙


空無「そうだとも…

そして挙句の果てには、話しかけることさえできなくなった!!

簡単なはずのそれさえも
非常に勇気の要る行動となってしまった!」

恵土「…(こく」


その言葉に、頷くしかなかった。

その通りだったから

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