第29章 林間合宿
その肉じゃがは、意外とおいしくて…
恵土「おいしい?(微笑」
光汰「…まあまあだ(ふいっ)
悪くない(がつがつ&もぐもぐ」
恵土「くす)よかった^^」
ちゃんと向き合おうとしてくれるのも
『可哀想に』だか、同情するような目を向けてこないのも…
何も言わないで
俺が隣にいることを受け入れようとするのも…
俺にとっては、初めてで――
それが、本当に嬉しかったんだ。
口先だけじゃない、その姿に…
必死に戦おうと、越えようと修業してたその背中に…
どこか、憧れのようなものを抱き始めたのは
胸の中にしまっておこうと思った。
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っていうか、聞こえてるんだけど;
ショートの言葉も、よくわかるけどさ。
焦凍『素性も解んねぇ通りすがりに正論吐かれても
煩わしいだけだろ。
言葉単体だけで動くなら、それだけの重さだったってだけで…
大事なのは
『何をした・何をしてる人間に』言われるか…だ。
言葉には常に、行動が伴う……と思う』
その言葉を聞きながら
光汰にとって、何が救いになったかはわからないけれど…
私の左手を、力なく握ってくる姿に…
『力になりたい』と、想ったんだ。
そして…
肝を試す時間帯になりかかった時
人も集まってきて、流石にばれそうになったわけで…;
光汰「…秘密基地いく」
恵土「うん、気を付けていってらっしゃい^^」
『いつでも待ってるよ』
その想いを伝えようと、笑いかけると…
テレパシーのように
思念エネルギーを伝える力も、『個性』に含まれたせいか
どうやら、伝わったようで……
光汰「………いってきます//」
ぽそりと呟いて、走っていった。
恵土「また、話したいな…(微笑」
その背中を見て、ふとそう思った。
その肝試しの時間に、何が起こるかを知らないまま…
私たちは、手早く皿を洗って
次にあるであろう、肝試しの時間を楽しみにしていた。