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越えてゆく者【ヒロアカ】

第29章 林間合宿





恵土「私は、いじめられてた。


お前のせいで死んだんだって

お前が自分で、自分の両親を、祖父母を殺したんだって…



でも…ヴィランもまた、人だから

同じように想って、社会を憎んで


手当たり次第に、殺そうとするかもしれない。



でも、その程度じゃ終わらないぐらいで

何度発散しようとしても、どっかにぶつけても


次々に絶え間なく、ふつふつと湧き上がってきた。



狂おしいほど憎くて、許せなくて…

誰も気持ちを汲んでくれない、誰も解ってくれないって……


ってごめんな!;
愚痴みたいになっちまった!!;(あせあせ」


光汰「…いや」

恵土「?」

光汰「…よく、解る」


ポツリと呟かれる言葉に、私は笑った。



どこか、嬉しかったのかもしれない。


聴いて欲しかったのかもしれない。



その気持ちが解るのは…

きっと、その人だけだから。



恵土「っと。もうこんな時間か。

んじゃ寝るから、おやすみ」


そう言いながら

去ろうとソファーから立ち上がって、ドアノブに手をかけると…



光汰「…待てよ!」

恵土「ん?」振り返る


光汰「…何で

そんな話、俺にしたんだよ」

恵土「…理解者、だからかな。


身寄りがいない分、ひどいことを沢山されたし

山ほど、嫌な思いはしてきた。



でも…

その当時は、誰もいないんだって思ってた。


いるわけないって、絶望してた。



けど…

どこか、嬉しかったのかもしれない。


一人じゃないって、解ったから(微笑」

光汰「!」


恵土「同じ思いをしてる奴なんて

世界中探せばごろごろいるかもしれない。


でも…

目の前にいるんだって解ったから、どこか…安心した。



理解して欲しいって思ったし、そう思えた。

ありがとう、聴いてくれて。


嬉しかったし

本当に、助かった(微笑」


光汰「…」


そう言いながら、ソファーに戻って

頭を撫でると、顔をくしゃくしゃにして


自分の服の裾を握り締めていた。



その目には、涙が滲んでいて

その気持ちは、痛いほど伝わってきて…


気付けば私も、微笑みながら涙目になっていた。


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