第29章 林間合宿
PM8:30
あれから、1時間ほど経ってから
恵土「…」
そっと光汰の頭を撫でていると
光汰「びくっ)…ん」
恵土「あ、目覚ました?」
光汰「!!」
ずさぁっ!!
恵土「すっごい勢いで下がってったな;」←ショック
光汰「…何で、いるんだよ」
恵土「?心配だから」
光汰「は!!??・・」
恵土「はって…;
それよりも大丈夫か?
どっか打ってないか?痛くないか?」
そう言いながら、じりじりと近付くと
光汰「近付くなよ!!
どいつも、こいつも!
ほっときゃいいだろ!
ヒーローになりたい連中とつるむ気はねえって言ったろうが!!」
恵土「あ…悪い^^;
気に障ったんなら、ごめんな(苦笑」
光汰「!……(ぎり」
恵土「……」
何とかしてみようとした。
何とかして、闇から助け出したかった。
でも、それはヒーローでは無理だった。
なら…
そう考えて
今も、心配しているマンダレイさんの気持ちもわかるし
光汰の気持ちも、よくわかる。
当時の自分も
「殉職して当たり前だ」と言うかのように
平然とあり続ける社会が、憎くてしょうがなかったから…
恵土「…光汰、くん?」
光汰「…?」
恵土「……
君の両親って、ウォーターホースさん?」
光汰「!!」
恵土「…やっぱりか(微笑)
雰囲気が、よく似てたんだ^^」
光汰「…だったら何だってんだよ」
恵土「…私もさ。
両親、殺されたんだ」
光汰「…!!
え…?」
ぽかんとした表情が、目に残る中
顔を伏せながら、話しだした。
恵土「私の両親は…
エクシードと、シンパシーだ。
んでもって、祖父母も一緒に殺された。
護ろうとしてくれて、目の前で…
その当時…
私には、それ以外の身寄りなんていなかった。
私は、心配してくれるエクシードの弟子だった人に
強がって、大丈夫だって言ってた。
でも…
本当は、大丈夫なんかじゃなかったんだ」
その言葉に、光汰が息を飲む音がした。
なぜか、どちらの目にも…
涙が滲んでいた。
同じ痛みを共有するものだからか、今もよくは解らないけれど…
真剣に聴こうとしてくれていることだけは
よくわかったんだ。