第29章 林間合宿
恵土(まだ髪の毛生乾きだけど大丈夫だよね!
落下の恐怖で失神したらしいけど大丈夫かな;)
そう思いながら走っていると…
ピクシーボブが入っていくのが見えて
私も連れ添う様に、中へ入っていくと…
ピクシーボブ「マンダレイのいとこ…
光汰の両親ね。
ヒーローだったけど、殉職しちゃったんだよ」
出久「え…;」
マンダレイ「2年前…
ヴィランから市民を守ってね。
ヒーローとしては
これ以上ないほどに立派な最期だし、名誉ある死だった。
でも、物心ついたばかりの子供には
そんなことわからない。
親が世界の全てだもんね。
「自分(ぼく)を置いて行ってしまった」のに
世間はそれを良い事・素晴らしい事と褒めたたえ続けたのさ…
私らのことも、良く思ってないみたい…
けれど
他に身寄りもないから、従ってる……って感じ。
光汰にとって、ヒーローは
理解できない、気持ち悪い人種なんだよ」
その中、出会った時にかけられた言葉が脳裏に浮かんだ。
光汰『ヒーローになりたいなんて連中とつるむ気はねえよ』
その言葉の意味も、よく解っていた。
出久「…」
そんな中、デッ君は死柄木の言葉を思い出しながら
死柄木『救えなかった人間などいなかったかのように
へらへら笑ってるからだよなあ』
出久(とても無責任で、他人事な言い方になるけど
色々な考えの人がいる。
立て続けに聞く価値観の相違に、僕は何も言えなかった)
マンダレイ「それより君…服、着てきな?」
その時、やっと気付かれた。
恵土「どきっ!!)…;」
マンダレイ「心配してきてくれたの?
大丈夫よ^^」
恵土「…なんか、ごめん。
入るタイミング、間違えた;」
マンダレイ「ううん。
…恵土」
恵土「?」
マンダレイ「…
光汰の気持ち、一番解ってやれるのってあんたしかいないから。
仲良くしてやってね^^
私たちじゃ…
何とかしようと頑張ってるけど、救えないから」
恵土「…解りました。
できる限り、全力でやります!(きっ!」真剣
マンダレイ「そんなに背負わなくていいからね?;」
恵土「解ってます!」
そうして、一夜が明けるまで…
光汰と話してみたいと、私は思った。