第27章 期末テスト前
そんでもって…
ヒーロー基礎学
救助訓練レースが始まった。
恵土「…
…;(たらーり」
『すっげぇ!!』
『かっこいい!!』
恵土「その羨望の目はやめてくれ;(滝汗」
運動場γ
複雑に入り組んだ迷路のような細道が続く密集工業地帯。
オールマイトがどこかで救難信号を出したら
街外から一斉にスタート。
5人1組でやるとのこと。
オールマイト「はい、お手本お願い!
人形をどこかに置いてきたから、頼むよ。
あ、もちろん光速はなしね」
人差し指を立てながら、呟かれる中
私は黙ったまま頷いて
恵土「…」
装備のジェット部分を出してから
静かに、両腕を下ろした。
『…へ?』
その直後…
風が自分へまとわりついた。
一瞬で、風から声が聞こえる。
聴いた所によると、数百m。
恵土「ははっ。
懐かしいな、シルフ(微笑」
実のところを言うと…
その一週間の間、解ったのはそれだけじゃなかった。
始まりの魂…
ハッキリ言う所、始祖神の魂を宿して生まれてきたらしい。
そのことを自覚したり、記憶を思い出したり…
この世の始まりから、人間の所業まで全部……
記憶している自然から、全て教わった。
そして、今行くべき場所も――
恵土「きっ)…」
ふぉっ!!
前を見据えた直後、方向を見定め
一瞬で最短ルートを風を通して模索し
即座に実行に移した。
結局、かかったのは…
ひゅん!!
オールマイト「…500m…往復23秒;」
恵土「…(すっ」
黙ったまま人形を差し出した。
あまり、知りたくなかったこと。
それでも…
勝手に、それは身についているようで……
そうだったということを、否定できるはずもなく
その認めたくない現実に、直面した。