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越えてゆく者【ヒロアカ】

第27章 期末テスト前





人は、思い悩む

人が、人であるために…



~しないといけない。

~でないと、あの世に行った時に笑い合えない。


そんな使命感にとらわれて

人としてこうあるべきだ、こうすべきだと義務感に縛られて


再び道を踏み外しそうに、悩んだりもした。



でも…これでいいとも思った。



その気持ちが解らぬものからの
無責任に評価する行動に、腹が立ったのは自分

殺したいほど、全て殺しても足りぬほど
この世を憎んでいるのも自分


人には人の、その本人にしかない経験がある。

その痛みは
同じ経験を、同じ環境で味わったものにしか解らない。



一人には一人の、複数には複数の。


様々な痛み、感じ方、考え、経緯、環境…

色んな彩があって、白と黒があって。



全てが、決められているわけじゃない。


全てが、一つというわけでもない。




力の強大さに、責任を感じて

必死に押さえ込もうとしていた自分がいた。



それにとらわれて、身動きを取れなくなるよりも

価値観の違いに、苛立ちや感情に振り回されるよりも


今すべきことから、なりたいことから目を逸らすな。





私は…今、生きている。



生きてさえいれば、望んだことをやれる。


行動できる体が、ここにある。

ぐっ(拳握る)




自らの手の平を見つめながら、私は握り締めた。


そして前を見つめた。

これからを、ちゃんと生きていくために――



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