• テキストサイズ

越えてゆく者【ヒロアカ】

第26章 これからの道




「話しかけてこないで」

「仲間だと思われるじゃない」

「気味が悪い」

「死ねばいいのに」


そうして、一つの平和は護られる。

終業式まで、問題は持ち越されたまま…



「さいってー」

「絶対わざとだって」


違う…

違うのに……



何で聞こえる?


その直後…再び、霊感によって視えたのは



『どこまでも深く、どこまでも冷たい闇』だった……




自分のことだけを考えてるようにしか見えなかった。


同じ立場に立たなければ、同じ経験をしなければわからない。

友と笑い合い、群れている人間には決してわからない。



バッシングの嵐の中…

広い場所に、ただ一人しかいない人と


その中に、僅かながらでも誰かと共にいる人は

天と地ほどの差がある。



誰かが、その否定を否定してくれる。

相談相手になってくれる、受け入れてくれる。


そんな人が、いるかいないかとでは全く違う。




それなのに、オーバーだといわれる。

勝手に苦しんでる。思い悩んでる。


そんな意見を押し付けては、気持ちを解ろうともしない。




この世は、穢れている。

壊れている。



人間の闇は…

業は、どこまでも深く、暗く、冷たい。


本当に温かいものは、ごくまれにしか存在しない。




誰も、味方などいなかった。


ヴィランも人だって思ってたから、捨てられなかった。

だから救けたいと思った。



でも…

それごと全てを否定されて


「ヴィランと同じだ!」って、ヴィラン扱いされるだけだった。



化け物とののしられ、ひどい奴だといわれ

そればかりで……



嫌がらせの嵐に

人に…誰にも話しかけられなくなったことから


唯一、あの教室で話しかけられる人…

先生に相談するしかなかった。



それ以外、誰もいなかった。


話して…

そうすることで、助けようとされると




「ちくられたー!」「ほら見ろ、そういう奴だ!」


こぞって、口々にこれ見よがしに騒ぎ立てられる。



そんな顔をされるぐらいなら、いっそ……




死にたいと思ったから。



/ 464ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp