第26章 これからの道
「大丈夫だよ」
…
そう言うのが、口癖になった。
笑いながら、そう言えば
大丈夫だった。
そっか、って安心してくれた。
バカなことを、考えずにはいられなかった。
笑わせずにはいられなかった。
そうして、笑ってさえいられれば
笑っていられた。
どこか、幸せを感じてられた。
そうでもしてないと…
目に映る闇に飲まれて、どうにかなってしまいそうだったから。
やって、られなかったから…;(ぽろっ)
静かに、涙を零しながら…
私は一人机に突っ伏しながら、また考える。
気を紛らわそうと、必死だったのかもしれない。
ただただ、愛おしい存在と笑い合いたかった。
ショートは、救われたって言ってくれた。
けど、救われてたのはこっちなんだよ。
おかげで、幾分かは楽になったから…
誰かに、負担をかけるのが怖かった。
痛くて、辛くて…
それであんな思い(いじめられる)をすることになるくらいなら…
「いっそ、あの時死んでた方がよかった」とさえ思った。
でも、失った命は帰ってこない。
どれだけ望もうとも、叫ぼうとも、絶対に…
それと同じように、時間も決して戻りはしない。
だからこそ、なおさら生きないといけないのかなって悩むことが多くなった。
周囲は戦闘の方にばっか目を付けてるけど
私は、それよりも…
エクシードとエージェントの巡り合わせの方が気になるよ。
エージェントは、エクシードの父親と親友同士の間柄で
風月流の元師範で(後に恵土父、それから恵土へ委託)
エクシードの幼少から成人するまでの保護者的存在。
奇縁というか、不思議なことに…
私は、「お爺ちゃん」って思ってしまった。
そしてそれは当たっていた。
よくよく調べたり、エージェントに聴いてみると…
お父さんも、両親をヴィランに殺されていたらしい。
そしておじいさんとおばあさんは、その前に災害で…
結果、エージェントに引き取られる形となったらしい。
だが、後々エクシードは一人暮らしすることになった。
その両親を殺したヴィランが、両親の親友だったからこそ…
余計に、「人」というものが信頼できないようになっていたのだと思う。