第26章 これからの道
狂おしいほど憎んでる。
それでも
大切に想う人が存在すると解っている上で
殺すだとかという行為をするわけにはいかない。
それこそ
あの加害者と同じになってしまう。
ワザと、嫌な思いをさせているという点において…
だから、自分を殺すことにした。
そうすることで
嫌な思いをすることを、少しでも減らそうとした。
でも…
それじゃあ、救われない。
自分も、心配してくれているイレイザーたちも…
だから、立ち直ろうとするしかなかった。
向き合って、その上で立ち上がらなければいけないって…
そうすることで、少しでも報いたかった。
私を生かしてくれた
その身を、命を賭してでも護り抜いてくれた
大切な人たち…
両親、祖父母……イレイザー、プロヒーローたち…
…だからこそ、私は…
笑ってて欲しいって思った。
思うことが、出来るようになった。
今、ここ(教室)で
新たな居場所で
一緒にバカなことやったりして、笑って…
そんなことが
どれだけ、恵まれているのか
愛おしいのか…
そういう想いをしてきたからこそ
余計に、そう思った。
その笑顔で…
どれだけ救われたか、よくわかってるから……
本当に…救われたから。
生きていたいって思わせられたから…
だから……
だから、大したことがない普通の対応でも
つい、「ありがとう」って言ってしまうんだ。
そういうことをされること、そのものが
(同級生から)今までなかった、ことだから…
こんな思い、させたくない。
一秒でも、長引かせたくない。
その想いを抱えながら、一人で生きていくのは
一人で耐え抜こうと、必死に闘う痛みは半端ないから
そんな針地獄の中で、生き地獄の中で
誰にも苦しみを言えないまま
どこにもぶつけられないまま、耐え抜く痛みはよく知ってるから。
ぶつけ所を失ったそれが
自分を苦しめた次は、人に渡ってしまうから。
すると、なおさらに苦しめるきっかけとなってしまうから