第26章 これからの道
彼の思想は「英雄回帰」と呼ばれており
『ヒーローとは見返りを求めてはならない。
自己犠牲の果てに得うる称号でなければならない』という主張である。
つまり、「人を救う」という行為が
真心から起きた「目的」であるのか
はたまた収益や地位、名声を得るための「手段」であるのか
という事を問題視しており
前者のみが英雄(ヒーロー)と呼ばれるに値し
後者のヒーローは『贋物』である断言する。
あくまで「贋作が蔓延る世界の粛清」という目的のために動いており
ヒーローのみならず、徒に力を振り回すヴィランをも粛清対象としている。
また、彼が出現した町では犯罪発生率が低下しているというデータも明かされた。
これまで作品に登場した多くのヴィランとは異なり、悪なりの信念を持つダークヒーロー的な存在として描かれており、こと飯田には大きな影響を与えた。
そして、動画では…
ヒーロー殺しステイン
本名・赤黒血染
オールマイトのデビューに感銘を受け、ヒーローを志す。
その憧れ的存在であるエクシードにも
同様に感銘を受け、憧れと志がより強まった。
私立のヒーロー科高校に進学するも
「教育体制から見えるヒーロー観の根本的腐敗」に失望。
1年の夏に中退。
10代終盤まで「英雄回帰」を訴え、街頭演説を行うも
「言葉に力はない」と諦念。
以降の10年間は、「義務達成」のため
独学で殺人術を研究・鍛練。
この間に両親は他界。
(事件性は無しとされている)
氏の主張
「英雄回帰」
ヒーローとは見返りを求めてはならない。
自己犠牲の果てに得うる称号でなければならない。
現代のヒーローは、英雄を騙るニセモノ。
粛清を繰り返すことで、世間にそのことを気付かせる。
ステイン「誰かが、血に染まらねば!!」
必死に、それを証明するために戦っていた。
生涯を、それのみに費やしてきた。
動画越しでも、その重みは伝わってきた。
と、同時に…
ステイン「お前は、本物だ」
あの言葉が、私の胸の中で疼いた。