第4章 幼稚園時代
恵土「っ;ひっく;」
その言葉に、私は肩を震わせながら
再びしゃっくりをあげた。
涙が止められず
なぜか…
なぜか、ホッとしたような気さえした。
恵土母「…あなたがいて、よくないと思う人は
確かに、この世にいつか現れるかもしれない。
でもね…
私は、あなたがどれだけの時を過ごそうが
どれだけ変わって、醜く生き永らえることになったとしても
大事な存在なの^^;;」
その言葉に、涙が尚更に溢れ出ていく。
恵土母「何物にも代えられない大切な存在…
それは…
あなたのように、たくさんの時と…
それまでの想いを込めて産んだ…大切な、子供なの」
優しく頬を撫でる母に、私は
その後ろにあるものを視た。
今までに幼い頃から過ごした日々…
そして、お父さんと出会い…結ばれ……
結婚して、父に養子に入ってもらって
そして…
私を産んで
涙ながらにベッドで
嬉しそうに、赤ん坊の私を抱き締める姿。
それらは…
どれもこれもが、温かいものばかりだった。
恵土「うああああああああああああっ!!;」
恵土母「だから、大丈夫。
ずっと…ずっと、愛してる」
ぎゅううっ!!
優しく、強く抱かれた中で
私は、とめどなく溢れ出てくる涙を流した。
未来でも今でも…
きっと、それは変えられないだろう。
だって…
今となっては、もう二度と聞けない言葉だから。
そして今…
一番聴きたかった言葉が、そこにあった。
恵土「ひっ;えっぐ;;」
その場に鼻水まで出ながら泣き崩れる私を、母親は
ひざまずきながらも、なおさらに強く抱き締めた。
そして、語ってくれた。
今までに学んだ、概念を…
これからも、生かしてくれるようにと願いながら……
その目から涙を零しながら
お母さんは、語ってくれた。
(ちなみに言うと
このビデオを見ていた人は、ほぼ全員泣いていた)