第24章 職業体験(初日)
自分のことを、平気で殺していた。
弱音も、湧き上がる哀しい感情も…
無理やり押し殺し続けていた。
それが、余計に気になった。
人に気を回してばかりで、笑ってられるようにするくせ
自分のことをないがしろにするあいつが、心配になったんだ……
あいつが、どれだけ優しいかも知ってる。
人のために、その人の幸せを願って
殺したい感情も、やるせない気持ちも
無理やり押し込めて、涙と共に飲み込むような奴だってことも…
たとえ、大切な人を殺した相手だとしても…
殺される側の気持ちを考えて、止まってしまうことも……
母の見舞いの時…
俺がトイレに行ってから帰ってくると……
恵土「だから…
焦凍を産んでくれて、出会わせてくれて…
本当に、ありがとうございます!!(土下座&涙)
あいつがいたから…
人混みの中でも、多少は平気でいられるようになった。
大切な人が、その中に居れば…
笑ってられるようにまでなった!
っ!(ぎり)
そんなの…っ
考えたことも、なかったからっ;;」
その言葉に…
俺に、どれだけ真摯に向き合ってくれているかを知った。
ちゃんと、色んな所を見てくれている。
向かい合って、笑い合って…
だから、どんなことをしても楽しく感じていられた。
他愛のない学校生活のはずが
とても楽しめたし、笑っていられた。
何より…嬉しかった。
(そして思い返されるのは
学校での、楽しかった時間↓)
恵土「って何笑ってんだよショート!!;」
焦凍「いや…悪い(ふるふる)
あっはっはっ!^^」
恵土「とか言いながら笑ってんじゃんもお!;(ビシッ!!」
お前がいるだけで…
どんなにつまらないことでも、楽しいんだ。本当に。
だから…
お前となら、どんなことでも笑って乗り越えていけるって思った。
俺は、その力になりたいし、何より……
そんなお前が、好きになっていた。