第4章 幼稚園時代
恵土「どこにも…
動物みたいに、純粋なものはいなかった。
幼い人や、赤ん坊だけだった……
ずっと、ずっと…
必死に歩き回って探しても探しても……
それでも、いなかったんだ」
夕暮れの中、
リリリリリリリリリリリ
ヒグラシの鳴き声が、物悲しく…
寂しく、響いた。
恵土「…私の眼は、おかしいの?
何で、色んな黒いのが見えるの?;
他の人、視えなかったよ。
かっちゃんも、視えなかったんだよ?」
その言葉とともに、目を瞑った。
と同時に、目に溜まっていた涙がこぼれ出た。
恵土「私がおかしいって…
皆、言ってたよ?(涙&震」
その言葉とともに、拳を握り締めた。
恵土母「!!」
恵土「っ;;
かっちゃんだけは、そんなこと言わなかった。
でもねっ…
他の人は、違うんだって;
普通じゃないんだって;;」
両目から、涙が次々に零れ落ちてきた。
恵土「私…いちゃ、いけないのかな?;
私がいたら
かっちゃんの周りにいた人たち、いなくなるんだ。
気味悪いって、消えろって…
そう言ってきた人達で…
それでも、かっちゃんには言えなかったよ;
だって…
怒るの目に視えてるんだもん(ぐすっ;」
溢れ出る涙を、拭い続けていた。
勝己「!おい、けい!!」
恵土「…(つー」
その映像を見て
怒りを露わにするかっちゃんとは対照的に
私自身もまた、涙を流していた。
恵土「辛いよ;;
痛いよっ;;」
肩を震わせながら、声を震わせながら
次々に溢れ出てくる涙を
右手で無理やり、乱暴に押し付けるようにふいた。
でも…
お母さんの両手が
私の手を温かく、優しく包み込むように止めてくれた。
恵土「ぐすっ。?」
恵土母「微笑)…」
それに顔を向けると、優しく微笑んでいた。
いつものように…
真っ直ぐに、私の方を向いて