第4章 幼稚園時代
押さえ込んでいたはずだった。
感情も、辛い思いも、全部…
恵土「ヴィランに
ここに居るって、悟られちゃいけないから…
騒がしくしちゃいけないって;」
そう言いながら、震えが込み上げてきた。
勝己母「!」
それに、ふと身体を離された
恵土「大切な人だってばれたら…
きっと、狙われるって;(がたがた)
また、殺されるって;;
その方が怖いって;
ひくっ(しゃっくり)
だから、私…」
拳を握り締めながら、何とか言葉にしながら語っていた。
気付けば、心臓がバクバクしていた。
握り締めていた拳までも、震えていた。
何より…
震えが、止まらなかった。
浮かびそうになる涙も
止まりそうになる息も…全部……
全部、言うことを聴いてくれなかった。
勝己母「そっか…
押さえつけられ続けてきたんだよね(苦笑)
…でも、それよりも
無事で、本当によかった」
恵土「!!
っ;(じわっ」
その言葉に、今までせき止めていたはずの感情が…
涙が、溢れ出てきた。
恵土「…
ぅ;」
ずっと、我慢してきた。
押さえ込んできた。
その想いが、奔流となって流れ込んでくる。
失速していたはずのそれが
押さえ込み続けてきて、失っていたはずのそれが
身体の奥から…
心の奥から、突きあげてくる。
蘇れって…
泣いても、いいんだよって
抱き締めてくる腕が、そう伝えてきてくれる。
恵土「うああああああああああああっ!!;」
その温もりに
久しぶりに触れる、懐かしい温かさに
私は泣いた。
久しぶりに、大声で泣いた。
泣いても泣いても足りなかった。
ずっと、会いたかったから。
ずっと…
愛してやまない、大切な…掛け替えのない人たちだったからっ
余計に涙は止まらず
その叫び声を耳元で聴きながらも
決して離すまいと、逆に力を強めるそれもまた
嬉しくて、たまらずに……
気付けば…
それを抱き返しながら、しがみつくように抱き締めながら……
私は、心の底から
腹の底から、思いっきり泣いた。