第21章 見舞い
恵土「…(ごしごし)
…何か、家族水入らずのとこにごめんな^^;」
涙を拭いてから、気まずそうに後ろ頭をかいていると
飯田「何を言ってるんだ!
君が助けてくれたからこそ、兄はこの程度で済んだ。
もし…そうでなかったら
死んでいたのかもしれなかったんだぞ!!
だから…気にしないでくれ」
真剣な顔で返されると言い返しようがないんだけど…;
恵土「そっか…ありがと(微笑」
飯田「礼を言うのは、こっちの方だ。
感謝してもしきれない(微笑」
逆に礼を言われた^^;
恵土「じゃあ、私はもう帰るよ。
お大事にね、インゲニウム」
インゲニウム「ああ。
また気が向いたら来てくれ。
同じ経験をした先輩として、助言が欲しい」
恵土「うん(微笑」
扉に近付いてから、手を振ると
そう声をかけるインゲニウムに、私は頷いて
恵土「失礼しましたー」
こうして、病室を出ていった。
見舞いって…こんな感じでよかったのかな;
実際の所、見舞いに来てもらったことなんてないし
よくわかんないや;
でも…
話して、よかったのかもしれない。
あのこと(左腕の件)は、話さないつもりだったのになあ…
インゲニウム…
早く、よくなるといいな。
私の場合、超再生能力があっても3年ほどかかったけど…;
完全に神経ごと腕を切られたし;
精霊『…それにしても、かっちゃんっていったっけ?
ほっといてよかったの?』
え?
精霊『「やっと、あの頃の恵土が帰ってきた」って…
涙ぐんでたじゃない、閉会式の時に』
え!?;
精霊『おまけに、愛おしい想いが込み上げて
ずっとこのままでいたいなんて思ってくれてたのに(溜息』
ええええ!!!!??;
精霊『鈍感;』
私のバカアアああ!!!;
その後…
一瞬で、かっちゃんの部屋に直行ダイブし
どっごぉん!!!
勝己「あのな…(ふるふる怒震)
何回俺の部屋を壊せば気が済むんだボケがあ!!・・(くわっ!!」←窓破られた
恵土「かっちゃんとハグするんだああ;(びええ」←無我夢中
精霊『「猪突猛進」かつ「想いが大暴走」ね;』
必死にしがみつく私に
かっちゃんが引きはがそうと奮闘する中
それを見た精霊が、溜息交じりにツッコんだ。