第20章 閉幕
でも…
いつも、隣に居て……
「大丈夫だ!^^」って、支えてきた。
あいつは、それを見るだけで…
どんなに歪んだ表情の時でも……
嬉しそうに、目を細めて
「ぱあ)…」
その瞬間に、笑みを浮かべた。
「…(微笑」
そして、最後には…
「…うん!^^」頷
いつも、満面の笑みを浮かべていた。
いつも…
そうやって、乗り越えてきた。
俺は、それが嬉しかった。
信じてくれてるんだって
大丈夫だって、想ってくれたんだって…
伝わってきたから……
だから…
今、群れを目の前にしてもなお
笑っていられるのが、凄い成長だってことぐらいは解ってた。
ましてや…
あんな目に遭い続けてきたら、普通は人間不信になって自殺する。
でも…
生きることを、選ぶことがやっとできた。
その上で
また、笑うことができるようになった。
それが…
なぜか、嬉しくてどうしようもなかった。
涙が止められないほどに
湧き上がってくる愛おしさに、抱き締めたい衝動にかられた。
そうして……
ぎゅうっ!!
後ろから、強く抱き締めた。
恵土「!(振り返る)
?…かっちゃん?」
勝己「…(ぎゅうう!」
その刹那、あいつにだけ涙が見えた。
周りには、視えていないらしく
何事かとささやかれ合っている。
が、そんなのは関係なかった。
恵土「え?(泣いてる?」
勝己「黙って…
抱き着いてろ。
昔みたいに」
ぶっきらぼうな言葉しか言えない自分に、無性に腹が立った。
でも…
返ってくる言葉は、いつも決まっていた。
恵土「微笑)…
うん^^」
勝己「…はっ^^」
自然と涙が零れ落ちる中、俺たちは笑い合った。
小さい時と同じ
いや、それとは違うのは解ってた。
でも…
同じように笑えるようになった。
その結果だけで、十分すぎるぐらいだった。