第20章 閉幕
『……』
それに押し黙ったままで
静けさだけが、その場に残っていた。
その静寂に耐えられなかったのか…
出久「やっぱり、様子見に行ってくる!」
ジッとしていられなくて、飛び出そうとしたその時
出久「あ」
恵土「お?」←既に涙ふいた後
偶然にも、ばったり鉢合わせした。
恵土「どしたの?慌てた顔して」
出久「え!
あ、あの…その……
ごめん!(お辞儀)
それと…本当に、ありがとう」
申し訳なさそうな表情と、嬉しさが入り混じった表情が
デッ君の顔から視えたと同時に、その気持ちが窺えた。
恵土「気にすんな^^
私だって、取り乱して
周囲に人が居んのに殴り飛ばしたりして…;
なんか、すっごいやらかしちまったから;(後ろ頭かく&申し訳ない気持ち満々)
だから、こっちこそごめん!(お辞儀)
それと…許してくれてありがとう」
出久「…うん^^//」
恵土「へへっ^^//」
お互い、言いたいことを言えた気がした。
そして、同時に…
晴れやかな気持ちが、満たされていった。
そんな中、天候がそれを表わすかのように…
曇り空になりかかっていた雲が、突如として晴れだした。
そうして、雄英体育祭の閉会式…
1位:かっちゃん
2位:ショート
3位:常闇、飯田(飯田のみ、兄(インゲニウム)が病院に運ばれたため欠席)
表彰式が終わってから……
恵土「あー。
閉会式も合図をさせてもらいます、田中恵土です。
すみませんが
私は…1年の人たちを、そんなに覚えていません。
もともと、人の顔と名前を覚えるのが苦手で…
接点もなかなかなかったから、なおさらに同じなわけで(苦笑&頬をかく)
結局の所、私が知っているのは所属させてもらってるA組。
それと、他のクラスの人は一人だけです。
なので…すっごい偏ったものになると思います」
そんな前置きを語ってから
言おうとしていたことを、やっと言い出した。