第20章 閉幕
出久「だよね^^;」
たははと笑い
左手で後ろ頭をかくデッ君に…
今度は、やるせない想いでいっぱいになってきた。
手に触れて伝わってきた温もり…
それを失いたくないと思う、想い……
色んな想いで、心の中がぐちゃぐちゃになっていた。
そんな中、自分の手の平を見つめながら
一人、デッ君は思っていたことがあった。
出久(…
小さい時
あの会話(30ページ参照)の後で、公園で聞かされたこと
今でも、昨日のことのように覚えてる…(ぎゅ)
幼恵土「ねえ、知ってる?」
幼出久「?何を?(きょとん」
幼恵土「でくのぼうって意味で
かっちゃんからデクって呼ばれてるけど
それに似た言葉に、「うどの大木」って言葉があるんだ。
うどって木は、柔らかいからこそ
材木に使えないから役に立たないものって意味で使われてた。
でもね、その反面
柔らかいからこそ、どんな風でも受け流して倒れることなく伸び続けるんだ」
幼出久「へえ~!(キラキラ」
知らなかった事を、教えてもらった。
幼恵土「それと同じように…
誰しも、短所もあれば長所もあるって思うんだ(人差し指立てる)
デッ君は…
誰にも負けないぐらい優しくて
危険を顧みずに、救けようと飛び出せる人だから(微笑)
だからさ…
デクって呼ばれても、気にすることないよ。
だって、誰にも負けないものを一つ持ってるんだからさ^^(ぐっ!」
幼出久「!!(じわっ」
その瞬間、涙が込み上げてきたのを
今でも、はっきりと覚えてる。
幼恵土「だからデッ君
私は、ぶじょくする意味で呼んじゃいないよ?
だって…
どんなに怖くても絶望しかけても、それに負けずに頑張ってる。
一番、伸びるって期待できる人だから^^」
幼出久「恵土、ちゃん…//(うるうる」
自然と、涙が潤んだ。
きちんと見てくれる人がいる。
その心強さに、涙が込み上げてくるのが止められなかった。
幼恵土「だから、ヒーローにだってきっとなれる!
その未来を!
デッ君なら、自分の手で勝ち取れるさ!!(ガッツポーズ&にや」
幼出久「!!////(ジーン」
その瞬間(とき)だったんだ…
僕が、恵土ちゃんに惚れたのは――)
一人、拳を握り締めながら
一つの想いが、蘇る――