• テキストサイズ

越えてゆく者【ヒロアカ】

第20章 閉幕




恵土「ホント…

なに、考えてんだよ」


静寂に包まれる中…

呆気にとられる面々の中


震えた声が、嗚咽と共に込み上がってくる。



恵土「昔、こんな風にバキバキになって!
再起不能になった人だっている!!

ひいじいちゃんの時代には腐るほどいたって、じいちゃんから散々聞かされた!


その時守れればって、自分の身をなげうって死んだ人だっている。



でも…

それじゃあ、残された人はどうなる!?


帰りを待ってた人は…

無事を祈ってた人の気持ちはどうなる!!?



自分の身を守れなきゃ、誰もホントの意味じゃ守れねえだろっ!!!」


切実な声が、あたりに響く。



恵土「そんな無茶な使い方してんな!

いつでも好きな時に治してもらえるなんて思うな!!


治してもらえるからって、無茶な使い方すんなっ!!!



私も、人のこと言えないけどっ

後悔をいくらしたって、戻らないことだってあるんだぞ」


そう…

もう二度と、戻ってこない。


あの笑顔も、温もりも…

隣に感じていられた、命さえもっ……



自然と涙が零れ落ちる中

殴り飛ばして、尻餅をついたままのデッ君に


そのまま崩れるように跪いて、向き合ってから

手を伸ばし、その傷付いた右手に触れた。



恵土「頼むから…っ

心配、させんなっ(がたがた」


絞り出すような、か細い声…

それは、先程までとはうって違い…


周囲に、聞こえるほどのものではない。



でも…


出久「…ごめん」

恵土「こんな使い方ばっかしてたら

気付かない内に、身体にガタが来て動かなくなる。


私がさっきまで、寿命が縮んだり

身体が動かなくなった時のように…



あんなやるせないもんはないから…

同じ思い、させたくないから…


何より、心配だから……



…ごめん。

ごめんな(涙&お辞儀」


ぼろぼろになったことはなかった。

ただ、怪我を負ったことで血みどろになることはあっても…


勝手に、超速で再生してしまうから。



でも…

逆から見たら、こんな風に感じるなんて…


思いもしなかった。


/ 464ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp