第20章 閉幕
そうして、私が飛ぼうとした直後…
どんっ!!!
流星の如く、一瞬で辿り着いた。
当初は行くのに1時間半はかかったのに。
恵土「セーフ!?」
精霊『ギリギリアウトね;』
だが、それはちょうど…
ショートに掴みかかったかっちゃんが、ミッドナイトによって眠らされた所だった。
恵土「あー!;決定的瞬間見逃したあ゛あ゛あ゛!;」
精霊『致し方なしね;(溜息』
恵土「…;
これは欲しかった勝利じゃないっぽいね;」
精霊『大した感知能力ね。大正解よ』
そうして
知り合いに状況を聴こうと、周りをきょろきょろと見渡していると…
恵土「!!!」
たまたま一番に目に入った知り合いを目にして
思わず、息を飲んだ。
出久「…
!?恵土ちゃん!?いつの間に!?;」←今気付いた
恵土「…お前、その傷」
目を見開いたまま
そのぼろぼろの姿に、わなわなと震えが止まらなかった。
出久「あ、えっと…;
その、力を全力で使ったんだけど^^;」
ばきっ!!
殴り飛ばした
恵土「何考えてんだ!バカ!!」
出久「え?;」
その突然の行動に、周囲が唖然とする中…
殴り飛ばした左拳を強く握りしめながら…叫んだ。
恵土「お前…
母親が泣いてる姿、見たことあるか?(震)
心配して、不安になって…
自分のことで泣きじゃくる気持ち、考えたことあんのかよっ(涙目&震)
あんなに…
見ていて、心苦しいもんはないぞ(涙」
自然と、声まで震えていた。
涙が、ぼろぼろと流れ落ちていった。
恵土「お前には…!!
母親が、いるのに!
一番、笑顔にさせたかった…
安心させたかった人が、すぐ近くに感じ取れるのに!!;
いつだって、望んだ時に!
笑い合えるのにっ!!!;」左手を両目に当てる
涙が、止められなかった。
震えが、止められなかった。
何より…
あの、いつも笑っていたはずのお母さんの「涙」が
ちらついて、どうしようもない気持ちに駆られた。