第18章 緊急応援要請
くそっ。
道に迷ってさえいなかったらより早く…
って、今更言ってもどうにもならない。
いくら悔やんだ所で、状況は変わらない。
重要なのは、どう悪化した状況を改善させるか…
恵土「119番か?
緊急手術の必要性あり、重症の患者がいる。
保須市の三界ビル路地裏、至急来てくれ」
119番で連絡し、応援を要請した。
「!はい!恵土さんですね?」←知り合い、かつ昔にも連携したことある
恵土「ああ。
いつも通りだ。頼む。
救急車が近付いたら瞬間移動で送る。
病院に向かってくれ。
保須総合病院には連絡を既につけている」
「解りました。至急向かうよう要請します」
ぶっ
電話が切れた。昔から対応が早いな。
これで大丈夫だろう。
迷った末に、道を聴いた先が保須総合病院で本当によかった;
ヴィランとの戦闘で怪我人が出る
または、緊急手術が必要となる可能性もあるって通告できたし
そのような事態となった場合、患者の受け入れの了承も得れた。
怪我の功名って奴だな。
何に絶望してヴィランになったかは知らない。
それでも…
やっぱり、じっとしていられなかった。
ステインが
インゲニウムに向けて刃を振り下ろそうとした瞬間…
がきぃん!!!!
恵土「…」
ステイン「!」
恵土「…救けに来たぞ…インゲニウム」
インゲニウム「…」
刃を弾き飛ばしながら、飛び降りて駆けつけ
インゲニウムを軽く揺すった。
が、既にそれは意識を失っていた。
ステイン「…何者だ?」
恵土「…そうだな。こいつの、友達だ」
抱き起こしながら、向かってきている救急車に瞬間移動で送った。
正確に言うならば、空間ごと
ベッドの上にある空気と、インゲニウムを入れ替えただけである。
ステイン「…そうか。例のあいつか」
恵土「お前を、止めに来た」
そう睨み合う中…
静かに、戦闘の幕が上がろうとしていた。