第15章 悪夢
幼勝己「…ありがとな(微笑」
自然と、不意に出てきた言葉。
それは…
俺のことを護ろうとしたことに対してか、よくわかっていない。
幼恵土「うん(微笑)
こちらこそ、いつも守ってくれてありがとう。かっちゃん^^」
幼勝己「あんなの護るに値しねえだろ」
幼恵土「ううん!守ってくれてるよ!!
だって…
あぁいうの、苦手だしさあ(ぼそぼそ」
気まずそうに言うこいつを見て…
「なんだ…守れてるんだ(微笑」と、安心した自分がいた。
幼勝己「任せろ!^^(にかっ」
幼恵土「ぱあ)…^^」
俺の笑顔を見ると、決まって嬉しそうに笑った。
俺も、それが嬉しかった。
なぜか…こいつの前だと
何のとっかかりもなく、気持ちを言えた。
勝己「恵土…
救われてんのは、俺の方だ。
お前が居てくれて、本当に救けられてばかりだ」
恵土「え?どうしたの、急に」
勝己「…」
恵土「…かっちゃん?」
勝己「……
俺は、お前を失うのが怖かった」
恵土「!」
勝己「あのモヤ野郎に、黒いモヤに飲まれていくのを見た時
本気で、心配した(かたかた」
なぜか、震えが止まらなかった。
抱き締めながら…
それでも、止めようとしても止められなかった。
また、失うかと思うと怖かった。
また…
お前が、何も言わずにいなくなるかと思うと……
(あいつの家が、いるはずだった場所が
瓦礫の山になっている中、それを前にして愕然と
驚いたまま、茫然自失とした幼いかっちゃんが立ちすくんでいた)
また、あんな思いをすることになるのは明白だった。
そう思うだけで、情けねえほど震えが止まらなかった。
情けねえ…
本当に……
ただ想像しただけでッ…
震えが止まらなくなるほど、大切に想っていることも
解っていたのに。
なのに…
あぁいうことしか、できなかった。
たった、フォロー程度のことしか!!(ぎりっ)