第15章 悪夢
塵も積もれば山となる。
些細なちょっかいも、積み重なり続ければ
話し相手も相談相手もいない相手へ、続けていけば
どうなるか…
思い詰め続け、さらに追い詰め続けるという状況に陥る。
つまり…
自殺だ。
誰もいない。
誰も、求めたりはしない。
相談できない。
声に出せない。
伝えたくても伝えられない。
気に食わない所も、言わなきゃ伝わらねえし
相手にとっても、改善のしようもねえ。
といっても、むかつくもんはむかつくが…
そんな状態が何年も続けば
吐き出したい時にも、全く吐き出さないままでい続ければ
精神は発狂し、潰れることにもなる。
勝己「…」
あいつとは、違う。
幼出久「大丈夫?たてる?」手を差し伸ばす
幼勝己「!!」
幼出久「頭打ってたら大変だよ!」
無個性のくせに
何もしねえで、人の心配したりはしねえ。
あいつは、毎日…
血反吐を吐きながらでも、頑張り続けていた。
幼恵土「絶対強くなる!!」
恵土父「何のためだ!
もう一回言え!叫べ!!立て!!!
そこで倒れれば、その程度の想いだと知れ!!!!
何のために、お前は強くあろうとしている!!!!??」
幼恵土「絶対…守り抜くんだ!!(ぐぐっ)
お父さんもお母さんも…
みんなっ、みんな守れる!(ぐっ!(上体を起こす))
歴代最っ高の!!
ヒーローになるんだ!!!(すくっ!!」立ち上がる
中途半端な優しさじゃねえ。
見かけたから、救けるなんてものじゃねえ。
幼恵土「だああああああああっ!!!!!」
ただ…
見かけなくても、聴きつけても
どっちでも、救け出したいと必死に願って…
必死に、No.1プロヒーローの親父に向かって
何度も何度も…
頑張り続けてきた。