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越えてゆく者【ヒロアカ】

第15章 悪夢




飛び起きると、そこは…

かっちゃんの部屋のベッドだった。



話しかけるのが、怖くなった。

ぶつけるのが、怖くなった。



苦痛で、たまらない気持ちになっていた。

世界も自分も、全部壊したい気持ちになった。


でも…



自分だけで、世界で生きているわけじゃないから

どうしたって、できなかった。



周囲から距離を取って

そうすることで、これ以上…


悪いことをさせないようになんて

嫌な思いをさせたくないって…


後で言った所で、何にもならないけれど

言い訳にしか、聞こえないかもしれないけれど……



やっぱり…

痛い、って気持ちが一番強過ぎて堪らなくなる。


ヒトとなんか、居たくなんかないって……



特に、同級生とは…


また…



誰もが束になって

心中を叫べず、声にも出せず、理解も得られないまま


一人になったままの自分を殺そうと傷付けようとする。




最終的には…

悪い奴だという認識だけが、残っていった。




孤立、疲弊、拒絶、否定、絶望…

どれほど言おうとしても、言えない。


口に出そうとした声が、のどにつっかえて出てこない。



「学校来んなよ」、「死ねよ」、

「明日(発表の時)に来たら殺すぞ」


それは…

発表の担当が、私の時だった。



だが、その時はちゃんと声が出せた。


学校で得られたのは

畏怖、恐怖ばかりだった。



ヒトと話すのが、苦手になった。

思った話題を、口にできなくなった。


思った感情も、心も…

置いてけぼりになっていた。




イレイザーたちに話せるようになった。

でも、肝心なことは話せないままだった。


どんな思いで、生きてきたのかも…

一日一日が、どれほどの地獄だったのかも。



理解者がいず好きなことを話せない、友もいれば話せている

笑えない、周囲は楽しそうに笑っている


どこにも、居場所なんてない―



受け入られるはずさえも、ない――




それが、最初にぶち当たった壁であり

学校において、今もなお続いている難題でもあった。


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