第15章 悪夢
救けてよ…
(泣きながら、心の中で叫びながら思っても想っても
決して、伝わることはなかった。
そう思う中、一つの声が響いた)
『大事なことは…
言わなきゃ、伝わらない』
(イレイザーの声が聞こえた)
なら…
人に言われなきゃ、言えない人は
どうなるの?
お願いだから…
届いてっ;
届いてよ!!;
(泣き伏せぶ中、誰にも届くことはなかった。
(最終的に、テレパシーができるようになったことで
別世界の自分と意思の疎通ができるようになったが、それは何年か後の話))
救けを求める人は、ここに居るのに…
何で……
どうしてっ…;
誰も、救けてくれないの?;;
(暗闇の中
ただ一人、跪きながら泣きじゃくる想い出…
誰にも言えなかった。解ってもらえるはずもなかった。
息つく間のない日々、心を押し殺す戦いという名の日常…
心が安らぐことも、楽しむことさえも一瞬たりともなかった。
(あっちでは父からのDV、母からの過干渉なども相まってなおさら。
きっかけは、どちらにせよ
気に食わないという気持ちということに変わりはなかった)
誰かに、理解されることなんかありはしない。
絶望しきったこの世界で、生きていくこと自体が苦痛だった。
それが…
15歳(あっちでは23歳)まで続くとは、想いもしなかった。
生徒には…
誰にも、解りはしない。先生にだって……
絶望の末、最後には人の何かまで感じ取れるようになり
人が近くに存在するだけで
人が多い場所の残留思念だけで、吐き気さえも催すことになった。
いじめを受けていたと話すと、差別された。
それが逆に辛くて、嫌だった…
迫害、差別、侮辱、暴言
「みんなお前なんていない方がいいっていうぜ」
「何で死なねえの?あ、死ねないの間違いか(げらげら」)
幼い頃の記憶…
紅蓮に燃え上がる家
私を庇って覆い被さっていた、息絶え冷たくなった両親
ヴィランのすぐ近くで、両親と同様に息絶える祖父母
『っ!!;』
恵土「うあああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!!」
がばっ!!!!
恵土「ぜえ…ぜえっ」
悪夢から、やっと目覚めた。
それは…最悪な目覚め形で……