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越えてゆく者【ヒロアカ】

第15章 悪夢




視える心

聞こえる本音


全てが、歪んだ何かに視えて

苦しくて、どうしようもなかった。



小学1年にして、味わうには幼過ぎた。


最終的に

それを無意識の内に強く願ったことで、閉じる術を身につけてしまった。



後々、大人(25歳(現在))になってから再び

そのレベルまで目覚めて、感じ取れるようになって…


また、苦しむことになるとは思いもせずに……




つかの間の平和と想えたそれらは

どちらにせよ、残酷だった。




(ただ一人、周囲から見られながらも

そこに近付こうとする者は、一人もいなかった。


歩み寄ろうと、向き合おうとするものでさえも…

ただの、一人も)




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聞こえる声は…

「ぎゃっはっはっはっはっはっはっ!!」


とても、まがまがしくて



仕掛けてこられる行動も…

「あっはっはっ!こけやがったぜ(げらげら」


とても歪で、醜い笑顔で……



その人に視えていた事情も、知っていた。

気に食わないという本音も、伝わっていた。


でも、ただ一つだけ…

解らないものがあった。




どれだけ言おうと、訴えかけようとしても

「口開くんじゃねえよ!気色わりい!!」

「女子にそんな口聞いちゃ!」
「黙ってろ!」


一方的にねじ伏せられて、終わるだけ。



最終的に、私は…


『ぱくぱく)……

!!』

声が、出なくなった。




精神的な要因だと、後に分かった。




それがあったのは、こちらでは6歳(小1)

あちらでは同様にいじめられていた、9歳(小4)の時だった。


話しかけたくとも、話しかけられなくなってしまった。



どこかで引っかかって、声が出ない。




でも、尋ねられた時や

挨拶をされた時だけは話せるようになった。


けれど、真正面に居なければ…

名前を呼ばれたり肩を叩かれないと、気付けず……



すれ違い、無視されたとののしられ

ありもしないことまで、噂で言われたりもした。


「あなたとはもう口を聴きたくないって言ってたよ」



言ってもいないことも

話したことがないことも


私を訪ねに来た人たちに、クラスメイトは投げかけた。


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