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越えてゆく者【ヒロアカ】

第15章 悪夢




「どうせだったら自分の手で殺せよ!

殺したかったんだろ?親も祖父母とやらも!」

「やめなさいよ!

そんなの本心からあるわけないじゃない。


ね?^^」

『!!!(ぞわぁっ!!!』


そう手を差し伸べられる中…


「あーあ。
女ってのは理想しか見ねえのかよ」
「うっさい男子」


その女の子に視えたのは…

闇だった。


向けられる視線から、感じ取れたのは…

『化け物』

『人殺し』

『ヴィランはあなたじゃない』


…口には出さなくとも、はっきりと映った。

ハッキリと、この耳に聞こえた。



視えて、聴こえてしまう。

本来なら、聞こえないはずのものが…



『…』

「人殺しだからいいだろ!」

「被害者なんだよ、この人は!」

「男子サイってー!!」


そう口では、何とでも言っている…


それでも…

違っていた。





少なくとも…


心と、真意は。

















そのことによって


頭が、真っ白になった。


















何で?

何で…こんなに悲しい?


何で、痛い?



この目が無ければ…

耳が無ければ…


こんな思いは、しないで済んだの?




そんな中…

皆から視線を受け、感じ取っていた心…


魂の欠片とも呼べる感情……



それらの奔流を見て

どこか、哀しみばかりが込み上げてきた。





解り合えることさえ

本当に難しく、不可能なのだと解ってしまった。





人にとっては、異なる意見

様々な常識、概念、考え方…


それらが、邪魔をしている。





さっきので分かった。


意見を強く言う人には

少数などの意見は、淘汰される。




言い出したくても言い出せない。


一方的に間違っていると言われ

ねじ伏せられ、それが正義だと笑い飛ばされる。




そのように想うこと自体が当たり前だと

押し付ける人もいれば、色んな見方があると受け入れてくれる人もいる。


救けるのが当たり前という人もいれば

救けたんだから何か寄越せと言う人もいる。





かと思えば…

理不尽な罵詈雑言や言動に打ちのめされていても


救けようともせず

いじめっ子と一緒になって、周囲でせせら笑う人達しかいなかった。




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