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越えてゆく者【ヒロアカ】

第15章 悪夢




小学1年

まだ、幼い時だった。



初めて、いじめを受けた。



「んなもん分かるわけねえだろ!

俺は好きじゃないよ、それ」


一方的に否定され、突き飛ばされた。



片や、それに同意する人たちは委縮し

救けようともせず



「な!?お前らもそう思うだろ!!

笑ってやれよ、こんな没意見!!


あっはっはっはっはっ!!」


高笑いする、一人の男子に

便乗するように、少しずつ笑い声をあげる人は増えていった。



終いには、誰もが便乗し

一笑に伏す結果となった。




個人の意見は、無力だ。

否定する人の声が大きく強ければ、多数となり


多数に蹂躙されるから―



『…』

無言で、笑わぬまま

真っ直ぐ見つめたままでいると…



「何だよその眼。


ふざけんなよ!

ヴィランに同情の余地なんてねえんだよ!
悪だからヴィランなんだろうが!!」


それでも…


『譲れない!)…

(きっ!)

それでも…
親類全てを殺されて!

世の中に絶望して!
ヴィランになる人だっているんだぞ!!』

「同じになってりゃせわねえってだけだろ!

バッカじゃねえの、お前!!


ヴィランはヴィラン!

解り合えなくて普通なんだよ!!」


『話し合ったからこそ、解ることだってあるだろ!!

ただ力をぶつけるだけじゃ、意味ないって言ってんだ!


それじゃ、何の救いにもならない!

一緒に笑い合うことも出来ない!!』

「笑い合うなよ!!

間違ったらそれまでだろ!」


『!!』

「ヴィランなんて…

お前の両親を殺した奴もいるんだろ!


それなのに、そんな風に言うなんて…

本当は
両親が殺されてよかったって思ってんじゃないのか!!??」


『違う!!


それでも…

私のお父さんとお母さんは!
お爺ちゃんとお婆ちゃんは!!


そんなこと望まないから!!

また生まれ変わりたいって思えるような
幸せで満ちた、一緒に笑い合えるような世界にしたいから…!!!


だから私は!!!!』

「そんなのただの絵空事だろ!

ただ殺されたかったから言えるだけだ!!」


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