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越えてゆく者【ヒロアカ】

第14章 亀裂




僕等が辿り着くよりも、数分前―


公園では、二人がばったり出くわしていた。



恵土「…」

勝己「……

さっきの、本心じゃねえんだろ」


恵土「…(ふいっ」

勝己「!(かちん」


顔を逸らした恵土ちゃんに

かっちゃんは苛立っていた。



恵土「…なあ」

勝己「あ?(イライラ」


恵土「付き合ってるって言ってたな、私とかっちゃん」

勝己「ああ」



恵土「……

別れよう」


どこか、凄く切なげな顔で呟かれたそれは

望んだ言葉じゃない。



風がさざ波のように

葉がこすれ合ったことで音を立てていく。


そんな中、真っ直ぐにかっちゃんを見て言った。



勝己「……は?」


無論、かっちゃんは唖然としていた。

言われるはずがないと思っていたから。


それまでの想いも、気持ちも…

全部わかっているからこそ、余計に……



恵土「…このままだと

かっちゃんは、いずれ結婚する人と幸せになれなくなる(ズキン)

(私は、もう死んでしまうから…)


私じゃ、かっちゃんを幸せには出来ないから(ズキズキ」


言いながらも、ズキズキと痛む心は

言ってはいけないことだと、認知させていた。



解ってた。


本当は、誰よりも一番解ってた。



『それでも…

一番幸せになって欲しい人だから


そのためには、私は邪魔だから……』



きっと、そう考えたのだと思う。




勝己「ふざけんな!!!

ちゃんと視たんだろ!!??
聴いたんだろ!!!??


それに…
「今も昔も変わらねー」って言っただろうが!!!」

恵土「!」


勝己「俺を幸せだと思わせれんのは

お前だけだ!!」

恵土「!

…(ぎり)


ふざけんなよ…

私がどういう想いで、その上でも行動してると思ってる?」


その声も、拳も…

言わずもがな、震えていた。


歯ぎしりしながら……



勝己「知るかよボケ!!

これだけは…死んだって譲れるか!!!」

恵土「こんの…!!!(ぎり&ぎゅう」


両者は、叫びながら

震えと共に、拳はなおも強く握りしめられる。



勝己&恵土『こんの…

わからずやがあ゛あ゛あ゛!!!!!(くわっ!!』


どちらも、痛いほどわかってた。

その気持ちも、想いも…



だからこそ、必死にぶつかり合った。


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