第14章 亀裂
恵土「私が死のうが、それに何の関係がある?
私一人が死んで、誰かが哀しむか?
そんなの居るわけねえだろ!!!」
勝己「てんめぇ!!!!!(ぎりっ!!」
ばきっ!!!!だぁん!!
その言葉を聴くや否や
かっちゃんは、恵土ちゃんを壁に殴り飛ばした。
そしてその直後
近くに居た切島君と上鳴君が、かっちゃんを左右から同時に押さえ込んだ。
切島「喧嘩してどうすんだ!!;」
上鳴「落ち着けって!!」
勝己「ざけんなよゴラァ!!!
殴り返してみろよボケ!!
こっちが…(震)
こっちが、どんな気持ちで待ってたと思ってんだあああ!!!!(涙目」
その叫び声は…
とても痛々しくて、哀し気で……
視ていて、とても耐えられるものじゃなかった。
だから
出久「あの、恵土ちゃん」
おろおろと、声をかけてみると
頬を赤くはらして
かっちゃんや僕等から顔を逸らしたまま
壁に向き合ったまま
ポツリと呟かれ、小さく返事が返ってきた。
恵土「……帰る(ふいっ」
がらっ。ぴしゃん。
そう言った直後
すぐ近くの扉を開けて、出ていった。
勝己「震)ちっくしょう……
くそ野郎がっ!!!!」
切島「っておい!どこ行くんだよ!;」
勝己「帰る!!!」
ぴしゃん!!
そして、かっちゃんもまた
同様に、反対側の扉から出ていった。
麗日「私!追いかけてくるよ!!」
出久「あ!麗日さん!」
バラバラの気持ち、衝突…
いきなり過ぎる展開に、僕等は置いてけぼりを食らっていた。
どちらの気持ちも、痛いほどわかっていた。
だから……
何も、言えなかった。
その頃、恵土ちゃんは…
教室から、そう遠くない場所に居て
壁に、頭をもたれかけていた所だった。
それに
追いついた麗日さんが声をかけようとした直後…
麗日「あ、あn
恵土「死にたくて、死ぬんじゃねえよ。バカ(ぽつり」
ぽとっぽととっ(涙が零れ落ちる)
弱々しい言葉と共に
涙が、夕焼けの光に反射して光が零れ落ちたように見えた。
夕焼けの中…
一つの衝突と共に
どこか、虚しい気持ちになった。