第14章 亀裂
でも、その日の放課後…
僕等は知った。
きっかけは、一人の発言。
勝己「おい」
相澤「ん?」
相澤先生が
一度ちらっと、恵土ちゃんの様子を見てから教室を出ようとした時
かっちゃんが、それを呼び止めていた。
ちなみに恵土ちゃんは
恵土「ぐー」
机に寝そべりながら爆睡していた;
相澤「どうした?呼び止めて」
勝己「………
あの時、恵土に
「もう、時間なんて残ってねえだろ」って言ったのは
どういう意味で言ったんすか?」
真剣な表情で、相澤先生に尋ねていた。
僕も気になって、聴き入ろうとしていた。
というか、みんな気にしてた。
砂藤「多少おかしいとこあるけど、それでじゃないよな?
基本、良い奴だし。
逆に人が良過ぎて心配になるレベル」
瀬呂「ただでくれたもんな、あの人形。
うちのお母さん大喜びだったぞ(微笑」
八百万「まあ…
多少、ギャグセンスが飛びぬけているのは何ででしょうね。
物まねもうまかったですし」
轟「そういえば
婆の役をしていた恵土を見た時、一番最初に吹き出してたな」
八百万「いちいち言わないで下さい//;(小声&震」←恥ずかしがってる
切島「もしかして病気とか?」
上鳴「いやいや、誰がどう見ても元気だろ!」
耳郎「うんうん(二度頷く)
病気であんな動き簡単にできるとは思えないし」
気付けば
そんなみんなの呟きの中、昔のことを思い出していた。
「甘やかされてきたんだろ」
…っ
「居なきゃいいのに」
………
「化け物」
…
そんな言葉が、周囲から聞こえた。
当の、投げかけられ続けていた恵土ちゃんは
ずっと無言で
黒い表情で、唇を噛み締めながらうつむく姿が見えた。
幼かった僕等は、気付くこともなかった。
恵土ちゃんの個性自体、教えられることなんてなかったから…
でも
かっちゃんだけは、なんか違ってる感じがした。
ペアルックのネックレスをかけるようになってからは、特に…
それらから護ろうと、かっちゃんは怒って怒鳴り散らして
嫌われることもいとわず、恵土ちゃんを護り抜こうとしていた。