第12章 各々の胸に
私は
力がすり寄ってくれたことが、嬉しくてたまらなかった。
安心していられる場所ができたんだって解ったから。
それができることが、どれだけ嬉しいことなのかを
よく、知っているから(微笑)
だから、一緒に前に進んでいけたらって思ったんだ。
救けを求めても、救けられないことがあった…
それでも、全てを憎むことまでは出来なかった。
でも、それは誰もが味わう痛み。
ずっと、一人だった。
できるわけなんかないって思ってた。
その壁を、撃ち破ってくれる人が現れた。
一緒に居ろって言ってくれた。
一人では大変でも
誰かが居れば、聴いて話せる人さえいれば乗り越えられる…
私は、幼い頃……
隣に居る誰かに
大切な人に、そう教わった。
温かさも、温もりも、愛おしさも…
『大好きだよ、かっちゃん^^//』
『俺の方が好きだけどな。恵土!^^//(にや』
木の下で、一緒に笑い合った。
お昼休み、大きな木の下で
幼い頃に、そうしていたように同じことをした…
その時…
笑えて、どうしようもなかった。
一緒になって
腹を抱えながら笑い転げ合った。
今という幸せは、一瞬しかない。
だから、『命を護れたこと』の方が上だ。
その後で望めば、何だって自由に行動できるから。
…空無を、私は救けられなかった。
だからといって、それにとらわれるんじゃない。
次、現れた時に
今度こそ、けりをつける。
あの時の罪からも
昨日襲撃してきた罪からも、救け出すために―
自身の幸せを見出して、笑顔でいられる
そんな、幸せに繋がる未来に
少しでも早く、引き戻すために―
そう決意し、拳を天にかざした。
そしてそれを、心から誓った時…
『ゼロドライブ』は、その身に現れた。
力自身が、自らの意思を持って
身体の負担が少ないよう、協力してくれた結果だった。
その時、互いがいるからこそ
互いが共に、生きているのだと実感した。
だから私は…
相棒のためにも、生きていく。
もう死のうとしたりしない!
そうして
今日も、一緒に進んでいく。
限りない道を、共に――