第12章 各々の胸に
そしてそして…
片や、その恵土はというと……
未だ、夢の中に居た。
真っ白な空間の中、声が響く。
幼恵土「ねえ…かっちゃん」
幼勝己「ん?」
幼恵土「私…
存在してちゃ、いけないんだって。
存在そのものが、おかしいんだって;
向き合っただけで読み取れるなんて
化け物なんだって;;
いちゃあ、いけないんだって;;(ひっく」
幼勝己「!!」
ぼろぼろと涙を零す中
かっちゃんは驚いた表情のまま、黙ってた。
それでも…
差別しないって方に、賭けたかったんだ。
幼恵土「かっちゃんは…
こんな私…嫌だっ?;(ぼろぼろ」
止めようと思っても、零れ落ち続けていく涙…
公園で、夕焼けに照らされながら呟いた。
幼勝己「何言ってんだ?お前」
幼恵土「!!」
幼勝己「今更過ぎるだろ、そんなの」
幼恵土「!…え?」
意味が解らず、私は尋ねた。
幼勝己「…お前は、お前だろ」
幼恵土「!!」
その言葉に、私は最初は驚いて目を見開き
次に、出てきたのは…
幼恵土「っ;(じわっ!」ふるふる
震えと共に込み上げてきた、涙だった。
幼勝己「そんなの、とっくに知ってたっつの(溜息)
当たり前だろ」
両手を上に向け
やれやれと言ったように言われる中
幼恵土「でも!!
それで、かっちゃんが巻き込まr
幼勝己「知るかボケ!!」
幼恵土「ひっ!?;(涙目」
降って沸いたいきなりの怒号に
私はビクッとなって、少し後ろへ固まった。
幼勝己「…
んなもん、言わせときゃいいんだよ。
勝手に言う奴は言うだろ!ほっとけ!!」
幼恵土「…でも」
握っていた拳を下ろしながら、うなだれた。
幼勝己「勝手に責任感じてんじゃねえよ。
んなもんは、俺が決めることだ!!
俺が誰となれ合おうが、それは俺の勝手だ!
俺の勝手に、いつも付き合ってくれてんのはお前だろ!!
あいつらはただの取り巻きだ。
それ以上でも、それ以下でもねえ。
でもな!!」
胸ぐらを掴みながら、いきなり叫んだ。
勝己「お前は…
お前以上のもんは、他にいねえんだよ!!!」
その言葉は、深く突き刺さった。