第12章 各々の胸に
芦戸「13号先生は?」
刑事「治療は終わってる。
背中から上腕にかけての裂傷がひどいが命に別状なし。
オールマイトも同じく命に別状なし。
リカバリーガールの治癒で十分処置可能とのこと」
切島「緑谷君は!?」
刑事「彼も保健室の治療で間に合うそうだ」
それに対し
『よかった』と、口々に安堵する中…
勝己「…」
轟「恵土は、どうなってる?」
黙ったままの爆豪に代わり、轟が問うと
刑事「…
一言で言うと、昏睡状態だそうだ」
『!!!??』
勝己「…は?(驚」両目見開く
刑事「意識レベルが300まで低下。
痛み刺激や呼びかけにも応答しない。
無傷ではあるが、どこかに異常があるのかもしれない。
それか過労か…(ぶつぶつ)
全てを空間無効化させるヴィランを相手に健闘。
空間ごと消滅させられてもおかしくない相手に対し
それを使わせず、なおかつ150人も相手取りながら気絶させる。
きっと、常人じゃない力を解放させたんだろう。
前にもこんなことがあったが…
1週間は目を覚まさなかったな」
ちなみにいうと
オールマイトを庇ったあの時、意識が無くなったのは
衝撃をうまく吸収しきれず
吸収できなかった衝撃波を、もろに受けたからである。
轟「命に別状はないんだろう?」
刑事「ああ。
今の所、問題はない」
それに
『ほっ』と、周囲の人たちから息をつかれた。
きっと、安心したのだろう。
だが、勝己の顔(表情)は…
未だに、眉間にしわを寄せたままだった。
勝己「…チッ」
拳を握り締めながら舌打ちする中
切島「爆豪!教室へ行けってよ!」
勝己「分かってるよクソが!」
そう叫びながら
みんなのいる場所に向けて歩いていった。
そんな中、一つの想いが
勝己の胸に、渦巻いていた。