第11章 真実
恵土「悪い!
重力を無効化させて渡したいところだが、その余裕がない!!」
出久「恵土ちゃん!どこに!?」
恵土「空無を倒す!!
ここでやらなきゃ、私は!」
そう背を向けながら飛んでいこうとした矢先
どっくん!!
恵土「っ」
どさっ!
そして、また…
私自身も、宙から地面に崩れ落ちた。
恵土「くそっ…
力が、切れたっ」
消え入りそうな声で呟かれる中…
髪も瞳も…
全てが白色に変わっていたそれらが、再び発動前の状態に戻った。
オールマイト「…相澤君から、事情は聴いている。
大人しく、ゆっくりと休んでいてくれ。
君達は相澤君を連れて、早く入口へ!」
そう、イレイザーを三人に渡して行かせ
地面にうつ伏せに倒れた肩に手を乗せられた。
でも…
恵土「…やだよ」
オールマイト「!」
そう言いながら
顔を、同様に倒れ伏している空無に向けた。
恵土「あと、もうちょっとなんだ!
あと、ほんの少し!!」
そう言いながら
少しでも前に進もうと、近づけようと力を振り絞る。
恵土「ここで逃したら!
私は!!
また、誰かが失うことになるのを黙ってみてることになる!!!」
オールマイト「恵土ちゃん…」
恵土「っ。
動けよっ
まだ、大丈夫だろ。
まだ、やれるだろ!?
そのために、頑張ってきたんじゃないか!!」
倒れ伏しる体に向けて叫ぶも…
それは、既に限界を迎えているようで
上体を起こす以外には、動かなかった。
恵土「くそっ…」
無理やり力を入れようとしても、それは震えるだけで…
修業の時は
相澤「おい、無茶するな」
恵土「大丈夫^^
まだ、やれるよ(微笑」
『大丈夫大丈夫(微笑』
無理やり、そう言って笑っては
身体を動かしてきた。
いつでも、それでできていたはずだった。
動けていた、はずだった――
そして今は
もう…
恵土「大丈夫じゃ、ないじゃんかっ…;」
その目に涙が浮かびながら
振り絞られた声が、小さく響いた。
オールマイトと、私だけにしか聞こえないほどの
とても、小さな声で…